コンテンツにスキップ
LINEお友達追加で、¥3,000OFFクーポンを進呈!
LINEお友達追加で、¥3,000OFFクーポンを進呈!

「この石、昔はもっと安かった」だけでは 説明できない、宝石の価格の変化 - 円安だけではない。図解でわかる、宝石が値上がりする5つの理由

監修:齊藤孝蔵(株式会社セルビー EC/SNS/ルース/製作部門責任者)

「どうして、こんなに宝石が高くなったのですか?」——最近、こうしたご質問が増えました。

円安は確かに大きな要因です。しかし、それだけでは説明しきれない変化が起きています。宝石を好きな人が、そして求める人が増えたのです。

◆ 図解1:買える場所は増えたのに、価格は上がるという逆説
販売チャネル増加 EC・SNS・ライブ 知る人が増える 欲しい人の母数拡大 良質な石の仕入競争 供給は急に増やせない 仕入価格が上昇する場合も 販売価格にも影響

宝石はなぜ高くなったのか?価格を左右する5つの理由

◆ 図解2:価格を押し上げる5つの力
宝石の 価格 ①需要 認知の拡大 ②流通 経路の多様化 ③品質 上位石の競合 ④為替 円安の影響 ⑤供給 増産できない

1.好きな人が増え、需要が広がった

SNSやECで、スピネルやパライバトルマリンなどの魅力を知る機会が広がりました。しかし販売する人が増えても、天然石の産出量は同じようには増えません。

2.買える場所も、取り扱う人も増えた

買い手にとって購入機会が増える一方で、仕入れを行う業者も増えました。販売競争が価格を下げる効果と、良質な石の買い付け競争が価格を上げる効果は、同時に起こり得ます。

◆ 図解3:流通経路の変化(かつて/現在)
かつて 鉱山・産地 現地ディーラー 専門店 限られたお客様 現在 鉱山・産地 現地ディーラー 国内外業者EC/SNS/ライブ 世界中のお客様

買い手も売り手も増えた。だから「手に入りやすい=安い」とは限らない。

3.良質な一石は、宝石商同士でも取り合いになる

◆ 図解4:ひとつの良い石に集まる買い手
良質なスピネル 1石 国内ディーラー 海外ディーラー ブランド コレクター

「スピネルが欲しい」だけでなく、「この色、この品質の一石が欲しい」という競争。

4.円安が、日本での価格を押し上げる

◆ 図解5:同じ1,000ドルの石でも、円換算では差が出る
1ドル=100円 100,000円 1ドル=150円 150,000円 差額 50,000円

海外価格が同じでも、円建てでは差が生じる。さらに輸送費・保険料・経費が加わる。

ただし円高になっても、海外市場の取引価格自体が上がっていれば、以前の価格まで戻るとは限りません。

5.天然宝石は、人気が出ても増産できない

◆ 図解6:需要と供給のアンバランス
需要:増えやすい SNS・ECによる認知拡大 新しい愛好家層の参入 国内外の業者・ブランド 供給:増やしにくい 採掘量は自然条件次第 高品質な原石は限られる 新鉱床の発見は不確実

宝石を好きになるのに、年齢は関係ない

◆ 図解7:広がる「宝石の入口」
眺 眺めて楽しむ 色彩と輝きの変化を観察 学 学んで楽しむ 結晶・産地・内包物 集 集めて楽しむ 自分の基準で少しずつ 着 着けて楽しむ 日常や特別な日に

テレビ朝日系『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』には、宝石に詳しい子どもが登場します。Tさんは2021年に8歳で出演し、2026年8月の放送でも14歳の宝石博士ちゃんとして紹介されました。

また2026年9月26日、愛知・名古屋アジア大会のeスポーツ『ぷよぷよ』で金メダルを獲得した当時11歳のK選手は、ご褒美に欲しいものとして「宝石」、特に青い宝石を挙げました。キラキラしたものが好き——宝石を好きになる理由は、本来それくらい自由でよいのだと思います。

こうしたエピソードだけで購入者増を統計的に証明できるわけではありません。それでも、年齢に関係なく興味を持てる存在になっていることは、嬉しい変化です。

セルビーが仕入れをためらった、2つのスピネル

ここでご紹介するのは、私たちセルビーが実際に買い付け、製品化を手掛けた2つのスピネルです。過去の仕入れ感覚を持っていたからこそ、その価格には驚かされました。

非加熱レッドスピネル|鮮やかな赤色のリング

非加熱レッドスピネル|鮮烈な赤とダイヤモンドの白い輝きのコントラスト(セルビー取り扱い商品)

コバルトスピネル|ハートシェイプの青色

コバルトスピネル|ハートシェイプに宿る、深く鮮やかなブルー(セルビー取り扱い商品)

こうした石は、当社が過去に経験してきた価格と比べて何倍もの仕入れ価格でした。正直、肝を冷やしました。

「本当に、この価格で仕入れてよいのだろうか」。そう考えながらも、その石を仕入れたいと思ったのです。販売後に同じ品質の石を補充できる保証もありません。それでも欲しいと思わせる一石がある。そして他の宝石商や愛好家も同じなら、私たち自身も需要をつくっている一人です。

宝石は一石ごとに品質も仕入条件も異なるため、スピネル全体の相場が何倍になったという話ではありません。

セルビーが選んだ一石を、ルースでご覧ください

実際に目で見て、手に取り、納得したうえで買い付けたルースを公開しています。

ダイヤモンドルース一覧 カラーストーンルース一覧

渋谷の人混みと、宝石の人気は似ている

◆ 図解8:混雑をつくっているのは、自分自身でもある
魅力がある 人が集まる 混雑・競争 それでも行く=自分も一員

渋谷に行くと、「人が多いなあ、みんな別の場所に行けばいいのに」と思うことがあります。でも、よく考えれば自分もその一人。魅力があるから人が集まるのです。

宝石も少し似ています。「昔はもっと安く買えたのに」と感じる私たち自身も、今なおその石を欲しいと思っています。人気を残念に思いながら、その人気を支える一人になっているのです。

「希少な宝石」と「高価な宝石」は、同じではない

◆ 図解9:希少性(供給)×人気(需要)のマトリクス
希少 × 認知が低い 高額な市場価格が 形成されにくい 希少 × 人気あり 高値になりやすい 仕入競争も激しい 流通あり × 人気が落ち着く 価格は比較的安定・ 調整されやすい 流通あり × 人気あり 上位品質が 高値で取引される 人気(需要)が高い → ↑ 希少性 が高い

希少性は供給の問題、人気は需要の問題。両方が価格形成に大きく関わります。

価格が上がれば、宝石商は儲かるのか?

◆ 図解10:販売価格が上がっても、利益が増えるとは限らない
以前 仕入 10万円 利益 5万円 販売 15万円 現在 仕入 20万円 利益 6万 ※仕組みを説明するための例。仕入の上昇幅が販売の上昇幅を上回れば、利益率はむしろ低下します。

さらに、売れた後に同じ品質の石を同じ価格で補充できる保証はありません。価格が高くなったことと、商売がしやすくなったことは別の話です。

値上がりは、今後も続くのか?

変化 価格への影響
需要が落ち着く 価格が下がる場合がある
新鉱床の発見・採掘量の増加 供給改善で調整されることがある
品質による差 最高品質は高値維持、一般品質は調整も
為替・市場環境 双方向に変動しうる
宝石は、将来の価格上昇が保証された金融商品ではありません。購入時の販売価格と売却時の買取価格にも差があります。品質と価格に納得できるか、そして何よりご自身がその石を気に入っているかを大切にしてください。

それでも、好きな人が増えることは嬉しい

仕入れは難しくなり、競争も激しくなる。以前なら気軽にご紹介できた石が、価格の面でおすすめしにくくなることもあります。私たちにとっても、単純には喜べない現実です。

それでも、知らなかった石に誰かが魅力を感じ、名前を覚え、その美しさを語るようになる。宝石に携わる者として、これほど嬉しいこともありません。

価格が上がることは、商売としては難しい。けれど、宝石を好きな人が増えることは、純粋に嬉しい。この二つは矛盾しないと思います。

一石ごとの個性を、じっくり見比べてみませんか

同じ種類でも、色・透明度・カットで表情は変わります。価格の理由までご案内します。

ダイヤモンドルース一覧 カラーストーンルース一覧

よくある質問(FAQ)

宝石の価格はなぜ高騰しているのですか?
円安、供給量の制約、採掘・輸送コストの増加、需要の拡大などが関係しています。特に人気の高い宝石では、良質な石を求める買い手が増えることで仕入れ価格が上昇する場合があります。
昔は安かった宝石が、なぜ高くなったのですか?
一部の専門家や愛好家しか知らなかった宝石が広く認知されたことも理由の一つです。需要が増え供給が追いつかなければ価格は上昇しやすくなります。
スピネルはなぜ高くなったのですか?
色や品質、重量、需要、供給量によって異なります。鮮やかな赤色や青色の良質な石では供給が限られる場合があります。すべてのスピネルが一律に値上がりしているわけではありません。
希少な宝石は必ず高くなりますか?
必ずしもそうではありません。美しさ、品質、知名度、耐久性、需要も価格を左右します。購入希望者が少なければ高額な市場価格は形成されにくくなります。
円高になれば宝石は安くなりますか?
輸入コストを下げる方向には働きます。ただし海外市場での価格上昇や、高値で仕入れた在庫がある場合、すぐに販売価格が下がるとは限りません。
販売店が増えれば、価格は安くなるのでは?
競争で価格が下がる場合もありますが、仕入れを行う業者も増えれば、良質な石の仕入れ競争が激しくなることがあります。
SNSの普及は宝石の価格に影響しますか?
認知度が高まり購入希望者が増える可能性があります。需要拡大は価格上昇の一因となり得ますが、実際の価格は供給量や品質、為替にも左右されます。
同じ種類・同じカラット数でも価格が違うのはなぜですか?
色、透明度、カット、処理の有無、産地などで評価が異なるためです。同じ重量でも品質に差があれば価格は大きく異なります。
中古の宝石やジュエリーも価格上昇の影響を受けますか?
受ける場合があります。新品価格の上昇により中古の需要や価格評価が変化することがありますが、状態やデザイン、流通状況によって異なります。
宝石は今後も値上がりしますか?
将来の値上がりは保証されません。人気や供給状況、為替、市場環境で変動します。石の品質や価格に納得できるかを重視することが大切です。

まとめ

◆ 図解11:この記事の結論
価格が変わった理由 円安・供給制約・採掘コスト・品質差 + 需要(求める人)の拡大 = 価格の背景に関心の変化も 昔より高くなった石の中には、 昔より魅力を知られた石もある

「この石、昔はもっと安かった」——その言葉の背景には、価格だけでなく、宝石を取り巻く人々の変化もあるのでしょう。セルビーはこれからも、一石一石の価値と魅力を丁寧に見極めてお伝えしていきます。

参考資料

監修:齊藤孝蔵(株式会社セルビー EC/SNS/ルース/製作部門責任者)

公平な買取価格の提示を常に心がけ、業界全体の信頼性の維持・向上を使命としている。ブランドジュエリー/アンティークジュエリーの統括とともに、デザイナージュエリーの鑑定・買付にも精通。

次の記事 340年前の宝石商は、どうやって世界の宝石を集めたのか?【GIAの論文を読んで】 ――10万点の宝石目録が語る、仕入れと信用の歴史